|
|
|
|
|
|
|
|
2019年度日本精神科救急学会 教育研修会 in 愛知 |
|
|
|
|
『精神科救急・急性期医療において他職種が精神科医に求めるもの ―診断と薬物療法だけでいいのか?!―』 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
1.日 時 2019年6月8日(土)
2.会 場 医療法人静心会 桶狭間病院藤田こころケアセンター
〒470-1168 愛知県豊明市栄町南舘3-879 TEL0562-97-1361
3.参加者 100名程度
4.日 程 受付(9:30~ 10:00)
第1部「病院見学会」 桶狭間病院藤田こころケアセンター及び関連施設
(10:00~12:00)
ランチョンセミナー(12:15~13:15)
『発達障害の精神医学と求められるケア -自閉スペクトラム症の成人例を中心に』(2019年6月2日掲載)
講師 岡田 俊 (名古屋大学医学部附属病院 准教授)
座長 深見 悟郎(千葉県精神科医療センター病院長)
メーカー 大塚製薬株式会社
第2部「教育研修会」(13:20~15:30)
桶狭間病院藤田こころケアセンター5F 講義室
『精神科救急・急性期医療において他職種が精神科医に求めるもの
―診断と薬物療法だけでいいのか?!―』
パネリスト
野中 英雄 (医療法人静心会 桶狭間病院藤田こころケアセンター 看護師)
長島 美奈 (公益社団法人生駒会 松戸診療所 代表 精神保健福祉士)
岩根 達郎 (京都府立洛南病院 作業療法士)
赤嶺 洋司 (医療法人へいあん 平安病院 臨床心理士)
座長 川畑 俊貴 (京都府立洛南病院 副院長)
堀川 公平 (医療法人コミュノテ風と虹 のぞえ総合心療病院 院長)
5.参加費 研修会 5,000円
6.申込開始 平成31年3月22日(金)(申込期限 5月10日(金))
7.申込方法(受付は終了いたしました)
(1)ホームページ申込フォームから(フォームからの申込は3月22日からです。)
(2)ファックスで(ファックス用申込用紙ダウンロード)
(3)メールjaep.kyoken@gmail.com(JAEP教育研修委員会事務局)での受付になります。
8.会場までのアクセス
●電車でお越しの方へ:名鉄名古屋本線中京競馬場前駅から徒歩約5分。名鉄名古屋駅より20〜30分。
●車でお越しの方へ:病院敷地内の駐車場は限りがあります。出来る限り公共交通機関でお越しください。
9.宿泊について
事務局では宿泊の紹介は行っておりません。各自にて宿泊手配をお願い致します。
*参加申し込み後、jaep.kyoken@gmail.comより受付メールをお送りします。1週間以内に届かない場合は下記にご連絡をお願いします。定員を超えた場合、お断りする場合がありますのでご了承ください。
*当日、見学に際し、「個人情報誓約書」へのご記入をお願いします。
*第1部 見学会のみの参加はできません。第2部 研修会にも必ずご出席ください。
*昼食はランチョンセミナーにてお弁当を準備させていただきます。
*また、本研修会は日本精神神経学会の認定を受けております。同学会員の方は、本研修会参加によりポイントが付与される予定となっております。
*遠隔地への名古屋(中部国際)空港最終便は、新千歳行19:25発、那覇行19:05発、福岡行20:10発(2019年1月現在)があります。
日本精神科救急学会 教育研修委員会事務局 甲斐・伊達
〒830-0053 福岡県久留米市藤山町1730
医療法人コミュノテ風と虹 のぞえ総合心療病院内
TEL:0942-22-5311 E-mail:jaep.kyoken@gmail.com |
|
|
|
|
2019年3月22日(掲載) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
教育研修会参加ルポ
2019年6月8日 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
北海道農業団体健康保険組合 高橋真実 |
|
私は以前、15年ほど市町村で保健師をしており、在宅で生活している精神疾患の患者さんやその家族に関わっていました。そこで、今回のテーマである「精神科救急・急性期医療において他職種が精神科医に求めるもの~診断と薬物療法だけでいいのか?!~」というテーマに興味があり、他職種の活動について知り、保健師としての役割について考えたいと思い、本学会の教育研修会に初めて参加させていただきました。
地域と職域での勤務経験しかありませんので、皆さんとは視点がずれてしまうかもしれませんが、参加して感じたことを報告いたします。
まず、病院見学では私が以前実習で見てきた精神科病棟とは違い、患者さんが快適に療養できる配慮がなされた素晴らしい施設で、患者さん1人1人が尊重されたケアが行われている様子を見ることができました。
また、各関係機関が患者さんの情報を共有できるシステムが導入されていたことも興味深かったです。退院した後は、地域で生活することになりますが、一旦入院になってしまうと退院したことがわからないまま、再び入院が必要となった時にはじめて退院していたことに気づくケースも多くあることから、入退院時の地域と病院との情報共有が必要であると感じていました。このシステムにより、タイムリーに関係機関が患者さんの情報を把握できるので、支援にとても有効であると感じました。このようなシステムが全国で活用されるようになると医療と地域の情報が分断されることなくよりスムーズな支援が行われるのではないかと思います。
また、患者さんに関わる家族の対応によって病状が変化することも実感しており、藤田こころケアセンターでは統合失調症家族教室を開催し、多職種が家族に必要な情報を提供したり、家族同士が話し合える場が提供されるなど患者さんだけではなく、家族への支援も丁寧に行われていることがわかりました。
ひとつ意外だったのは、教育講演のなかで、「医師はいらないのではないか?」という意見がフロアから上がっていたことです。地域において精神科医師への信頼は高く、日々助けられている実感がありましたので、そのような声が上がるとは思っていませんでした。
患者さんにとって医師の影響力はとても大きいものであり、治療内容だけではなく医師の言葉や態度など様々なものによって患者さんの病状は変化するものだと思います。だからこそ、医師の役割は大きく、治療には必要不可欠な存在であると考えます。
医師が患者さんによりよい医療を提供するためには、今回のテーマである多職種連携が重要であり、大切なことは、患者さんが中心であることだと思います。患者さんのなりたい姿をスタッフ間で共有し、同じ目的に向かってそれぞれの専門職の力を発揮することが、よりよいケアにつながるのではないかと思います。 |
|
|
|
|
|
|
|
公益財団法人 浅香山病院 川村明代 |
|
この度、初めて精神科救急学会教育研修会に参加させて頂きました。臨床では主に精神科救急病棟を担当しているため、この研修会に興味を持ちました。初めての参加にもかかわらず、参加ルポの執筆依頼を頂き感謝しております。
第一部は、桶狭間病院藤田こころケアセンター及び関連施設の見学をさせて頂きました。藤田こころケアセンターの外来は赤を基調としたモダンな内装で、良い意味で病院ということを感じさせない新鮮な印象でした。見た目の印象のみならず、ご説明頂く中で画期的だと思ったのは、「電子連絡帳」というネットワークを通じて、行政、障害福祉サービス事業所、薬局などと、対象者に関する情報を(ご本人同意を得た上で)共有するシステムです。私も職場で院内の電子カルテの便利さを日々感じているため、それが地域にも広がれば、よりタイムリーに、包括的に支援ができるであろうことが想像できました。またセンターの精神科救急病棟は3病棟あり、疾患によって機能分化されているとのことで、対象者にとって良い治療環境が整っています。関連施設として、藤田メンタルケアサテライト徳重北リワークセンターも見学させて頂きました。それ以外にも、法人として対象者のニーズに合わせて様々な事業展開をされており、精神科救急医療から退院後まで心身のトータルケアを提供する、まさに精神科医療の理想の形です。
第二部の研修会は、「精神科救急・急性期医療において、他職種が精神科医に求めるもの-診断と薬物療法だけでいいのか?!-」というテーマで、作業療法士の私にとっては大変興味深いものでした。4名の他職種のパネリストからのお話の後、ディスカッションをする形でした。藤田こころケアセンターの看護師である野中先生のお話では、急性期統合失調症クリニカルパスの実施や、申し送りを廃止しカンファレンスを重視しているとのこと。またMENTATと言う非構造化データを自然言語化処理によって構造化データに変換して活用しているシステムは、非常に効率的だと思いました。松戸診療所の精神保健福祉士の長島先生からは、精神保健福祉士として診療所を開設された、貴重なお話を伺いました。平安病院の臨床心理士の赤嶺先生からは、沖縄の地域性も含めた課題をお聞きし、現場の人から聞かないと知らないこともたくさんあると思いました。また精神科医に期待することとして、リーダーシップ、チームワークの醸成、安心・安全な環境の構築といったことには、私自身も納得しました。京都府立洛南病院の岩根先生からは、対象者のウェルビーイングを目指すことの大切さや、精神科医には病棟の治療的雰囲気を作ることを希望するお話がありました。個人的には岩根先生の、「作業療法を暇つぶしや遊びと表現してしまうことは患者さんのしていることの価値を下げてしまい侮辱的となる。」「目的や意味の不明確な、吟味のない一斉処方はやめてほしい。」「処方を出しっ放しで、後は関心がないのは困る。」などの“おまけ”のお話がむしろ一番重要な部分ではないかと感じ、大変興味深かったです。
研修会を通して、対象者とのコミュニケーションは大前提として、他職種とのコミュニケーションも重要だと改めて感じました。またパネリストのお話は、(そういう場であるという前提ではあるものの)コメディカルの発言力や影響力があると思いました。またそれを受け止めてくださる精神科医の皆様に、懐の深さを感じました。自身の職場でも、コメディカルスタッフがもっと積極的に発言し、より良いコミュニケーションを図れるよう、意識していきたいです。そうすることが対象者への質の高い医療の提供に繋がると確信しました。またどなたのコメントか忘れてしまったのですが、「救急医療をやっていたら、他職種は伸びる。」というコメントで私自身のモチベーションも高まり、今後も自己研鑽を続けていきたいと思いました。臨床に生かせることを学べた、充実した一日でした。研修会の企画・運営に携わられた皆様に感謝申し上げます。今後も当学会や研修会に参加させて頂きたいので、よろしくお願いいたします。 |
|
|
|
|
|
|
|
愛知県精神医療センター 藤本悠子 |
|
2019年6月8日、愛知県豊明市にある医療法人静心会桶狭間病院藤田こころケアセンターにて開催された日本精神科救急学会教育研修会in愛知に参加させていただきました。今回の研修は「精神科救急・急性期医療において他職種が精神科医に求めるもの―診断と薬物療法だけでいいのか?!―」がテーマとなっており、開催前にこのテーマを目にした時から、研修日当日を心待ちにしていました。
医療法人静心会は、桶狭間病院藤田こころケアセンターの他、藤田メンタルケアサテライト(心療内科・精神科診療所、ショートケア併設)、おけはざまクリニック(内科、泌尿器科・皮膚科、腎臓内科・循環器内科・血管外科、内分泌内科、血液透析センター)、藤田メンタルケアサテライト徳重北(心療内科・精神科診療所、デイケア併設)指定居宅介護支援事業所 かなえて、精神障害者グループホーム らくらく、精神障害者グループホーム なごむ・つどう、就労継続支援B型事業所 ハーミット、指定特定相談支援事業所 藤田メンタル相談所といった、付属施設が大変充実しており、今回はその中から、桶狭間病院藤田こころケアセンターと、藤田メンタルケアサテライト徳重北・リワークセンターを見学させていただきました。藤田こころケアセンターは精神一般病棟 108床・療養病棟 59床・精神科救急病棟 145床の計312床で、最新の医療設備が整っていました。また、設備だけでなく早期の退院のために、入院後約1週間以内に、退院前訪問看護指導を行い、自宅での様子を見て、必要時家族に指導を行うことや、重症例の評価にも取り組んでいることを知りました。
病院見学会の後は、ランチョンセミナー、研修会、「精神科救急・急性期医療において他職種が精神科医に求めるもの―診断と薬物療法だけでいいのか?!―」、教育講演会と続きましたが、今回私のルポでは、シンポジウム「精神科救急・急性期医療において他職種が精神科医に求めるもの」について報告したいと思います。
まず、野中英雄NSからは、クリニカルパスを活用することで多職種とのコミュニケーションにも良い影響があること、実際に運用時どのように工夫を重ねながら実践に活かしているのかを教えていただきました。長島美奈PSWからは、地域医療実践には救急医療を経験している必要があること、往診や訪問時、何かあったときに頼むことができるネットワークづくりの重要性について教えていただきました。「優れた先輩、優れた組織が、優れた人材をつくるのだ」の言葉から、今後の精神科医療を支えていくために“「教育」が一つの大きなテーマ”、というメッセージであると感じました。岩根達郎OTからは、病棟での雰囲気作りが「成長する組織」に直結していること、安心感があるからこそ、カンファレンスで多職種が各々「私はこう思うのですが、どう思いますか?」と投げかけることができる、と教えていただきました。また、効果的なOTの活用方法についても、入院初期の依頼が効果的であると教えていただきました。赤嶺洋司CPは、Dr.に期待するものとして、チーム内の信頼関係とチームワークの醸成のために、リーダーシップとMission性を挙げており、より充実した内容のカンファレンスにするために、Dr.のリーダーシップが必要不可欠であると教えていただきました。
今回の研修会を通じて私が特に印象に残ったのは「教育が重要である」ということです。多様な職種が集まりチーム医療を形成しているわけですが、誰しもが自身の役割を発揮できるようにしようと、自身とチームの成長を目指していると思います。しかしその中で時に方向性を見失ってしまう可能性もあり、そのようなときに導き、指針となる存在が、必要であると感じました。
今回の研修を通して、精神科救急医療は、多職種がチームとして一緒に成長していくことが叶う場であり、「全国に大勢の同志が存在する」と感じることができました。最後になりましたが、桶狭間病院藤田こころケアセンターはじめ、企画運営をされた皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|